秋は赤とんぼの季節です。
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赤とんぼは正式には「アカネ属」というグループで、世界に約50種が分布し、そのうち日本には定着していない迷いトンボも含めて21種、広島県には18種、呉市には14種が記録されています。
、赤とんぼの仲間は年に1回、春から初夏にかけてヤゴから成虫になります。
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そして暑い夏を高い山や涼しい森の中で過ごし、秋になったら水辺に現れて産卵します。
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10月頃が最も多くの赤とんぼを観察できる時期ですが、呉では12月前半でも暖かい日には生き残りの赤とんぼを見ることができます。
、赤とんぼの仲間で最も遅くまで生き残っているのがキトンボです。
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キトンボは成虫になったばかりの初夏はピンク色を帯びた薄い黄色の体色ですが、秋が深まった頃には大変美しいオレンジ色になります。
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そして年を越した2月、雪の上を飛ぶキトンボまで記録されています。
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この情報を知ったとき、雪の上を飛ぶキトンボを見てみたいとずっと思っていました。
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毎年、初雪が降るとキトンボを探すのが恒例ですが、未だに念願は叶っていません。
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今冬こそ、ぜひ雪とキトンボのコラボシーンを撮ってみたいです。
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成虫になったばかりの赤とんぼは雌雄ともに同じ色合いで、赤くないです(「未熟」といいます)。
、そのうち雄は次第に体色が変わり、繁殖ができる秋には体色が赤く色づきます(「成熟」といいます)。
、雌は体色が変わらないので、見た目は赤とんぼに見えません。
、赤くならない赤とんぼもいます。
、呉市にも分布する赤とんぼの仲間で、ナニワトンボは雄が赤くならずに青くなります。
、ナニワトンボは瀬戸内海周辺だけに分布する日本特産種、そのため「世界で唯一、青くなる赤とんぼ」といわれ、世界のトンボ愛好家が憧れるトンボです。
。 ※ナニワトンボ紹介コラムはこちら(2023年9月)、
なお、呉市では灰ヶ峰や音戸、蒲刈などで見つかっています。
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*自然系メルマガ「里山を歩こう」の発行人兼「さとやま自然史研究会」代表をされています。